サンゴ

アトミック・ブロンドのサンゴのネタバレレビュー・内容・結末

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

1989年、冷戦末期の東西ベルリンを舞台に、
イギリスのスパイ組織「MI6」の女エージェントであるロレーン(シャーリ-ズ・セロン)が、
各国のスパイ工作員情報が集約されているリストを奪還して、
サッチェルという2重スパイ(MI6から情報を漏らしている裏切り者がいる)を始末するという物語なんだけど、


う~~ん、、これはちょっと困った映画だなと。。


まず、登場人物が多い。

MI6(イギリスのスパイ)
KGB(ロシアのスパイ)
DGSE(フランスのスパイ)
CIA(アメリカのスパイ)

こいつらが次から次へと入り乱れるから油断するとすぐ迷子になる。


次に時代背景。

冷戦末期の西側諸国と東側諸国のにらみ合いや緊張感、
社会情勢をある程度理解しておかないと、
「あれ?この国とあの国は同盟国だっけ?敵対国だっけ?」
「だとしたら、こいつとあいつは仲間なのか?敵なのか?」とか、

何度も東西ベルリンを行き来するうちに、
「あれれ?今いるのは西だっけ?東だっけ?」となる。

加えて、
ロレーン(シャーリーズ・セロン)がもう美しすぎて他の情報が一切入ってこなくなる笑

そんでもってこのロレーン、

「私がMI6(イギリス)のエージェントでありながらKGB(ロシア)に情報を流す"サッチェル"本人で、
本当の姿はCIA(アメリカ)のエージェントでしたー、バーカ、サヨナラ〜〜」で終わる。

なるほどなるほど、
「誰も信じるな」って観てるこちらにも言ってたのねと笑

でも、
ロレーンがずっと飲んでたストリチナヤって酒、あれはロシアのウォッカなんだよね。あとは赤い服を着たり。

だから、CIAとみせかけてロシア側のスパイなんじゃないかと個人的には思ってる。

ビール片手に頭からっぽでも観れるかと思ったら
かなり集中力が必要で見応えのある骨太作品でした。

あとは、他にも多くの人が評価してるけど、音楽と映像のセンスがとても良い。
早回しの演出なんかは、当時のベルリンの壁崩壊直前の、時代のスピード感がよく表れている。

個人的には高く評価できる映画です。
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