のんchan

最初に父が殺されたののんchanのレビュー・感想・評価

最初に父が殺された(2017年製作の映画)
4.2
アンジェリーナ・ジョリー、監督4作目の大傑作❗️
クメール・ルージュ時代を描いている伝記、歴史作品。
ジャケ写から漂う緊迫感で観る勇気がなかなか出なかったが、随分気になっていた作品。

カンボジア人の当時5歳だった少女ルオンの目で描かれている(本人の回想録を基にしている)
 

1975年、カンプチア共産党(クメール・ルージュ)を主力とするカンプチア民族統一戦線が首都プノンペンを占領したことにより、クメール共和国崩壊。
街を進軍して来たクメール・ルージュの武装勢力に追われ、カンボジアの政府高官として働いていた父親は慌てて身分を隠し、家族全員で逃げ出すところから始まる。

クメール・ルージュの思想が極端であり、原始共産制という極左。
あらゆる近代文明、科学、宗教を否定し、全員で自給自足生活を送る。
ルオン一家は私財を全て没収され、住む掘立て小屋から自分たちで作らせられる。
なぜ父親が身分を隠すのか?それは知識人は反乱の可能性があるとされ殺害されてしまうためだった。
口にする物は碌でもなく、ボロ布を纏い、まるで弥生時代まで遡ったかのような最低の生活を強いられる。

作品中、ずっとルオン目線なので、意味不明なまま進むのも更に恐怖を煽る。
ある日、父親が呼び出され殺される。母親は兄妹を分散させ逃げさせる。
ルオンは賢く、おとなしい姉と2人で近くの赤旗の難民キャンプへ辿り着くが、そこでも同じことの繰り返し。
ルオンは機敏で賢いと目を付けられ、まだ小さい身体なのに銃の扱い方を覚えさせられる。
土の中には地雷を仕掛けさせられる。

とうとうカンボジア軍からキャンプに攻め入られ、裸足で逃げ出す人々は、自分たちが仕込んだ地雷を踏み身体が飛び散る😱
とにかく、ここまでの映像は沢山戦争映画を観ているが、いや〜キツかった😖

ルオンと兄姉はなんとか出逢うことが出来たが、母の姿はなかった。

クメール・ルージュ支配下で、処刑、飢え、強制労働により人口の約1/4が命を落とした。


なんとも言えない後味で、直ぐにレビューを書く気になれなかった。
しかし、この世に起きた歴史は知るべきです。
知ることが出来てジョリー監督に感謝です。



そう言えば、アンジーの最初の養子がカンボジア人の男の子でした。博愛の強い女性ですね。
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