このレビューはネタバレを含みます
科学犯罪ミステリーというか医学ミステリーとしての脚色いや原作からがちょっとかわっていておもしろい。それは大森南朋ふんする検事いわゆる探偵役だが助手の鈴木杏と安楽椅子探偵さながらに気宇壮大な推理をめぐらすばかりで本筋にからまないどころかほとんど捜査もしない。おかげでたいする原田美枝子ふんするもはやマッドサイエンティストこえ女フランケンシュタイン博士の巨悪の雰囲気のただよわせぶりがより濃厚になっている。そのほか被害者側の演技および描き方も雑魚キャラめいていてよい。あっという間にころされる手下のような哀愁がプンプンしている。ほんと安手の地上波サスペンス劇場のようなつくりでセットも東映70年代の実録残酷お色気路線映画。男性とはちがう女性監督女性原作特有の視点視線のエグさが功をそうしているのだろうか。