小林勇貴監督作は現状監督自身が世に出しているものは全部観ていて大好き。
全員死刑もその流れで観た、
作品単体の事だけなら完璧、満点。
事実に忠実で、事実の部分ほど笑えてしまうし最高密度の小林監督印の付いた作品を過去最大のバジェットで作れた事はめちゃくちゃ喜ばしい事だから個人的には好意的な感想ではあるけど。
全員死刑フィーバーが落ち着いてひとしきり落ち着いて言いたい事が一つ出てきた。
今作は他の作品と比べると楽しみ方がめちゃくちゃ難しい作品だった。
同じ商業作品ならヘドローバの方が全然まっすぐ楽しめる。
今作に対して深いところで嫌悪感を表明する人がいるのも凄く頷ける。
その理由を考えると作品の出来不出来とは関係なく作品を観るまでの間に展開されるプロモーションのせいで作品とキチンと向き合わせてもらえなかったからではないかと思う。
今作の主演が絶賛売り出し中の間宮祥太朗なんだから仕方ないとは思うんだけど、
宣伝の仕方がまるでアイドルの青春映画のようで(これはワザとだと思うけど)
観る側も主人公やその周りを取り巻く人間関係よりも主演の間宮祥太朗に対して感情移入をしてしまっている客多数な状況はどうにも気持ち悪かった。
そこも含めて面白いという意見もあるけど、
これは実際に人が死んだ事件で不幸な形で巻き込まれてしまった被害者も居るんだし、
この宣伝の仕方は余計だし別に面白くもないから不快。
不粋な事は言いたくないとはいえ不謹慎・無責任という言葉が喉元まで出かかってしまう事が残念過ぎる。
作品と純粋に向き合いたいのに映画制作陣と監督の悪ノリとも取れる盛り上げ方がチラチラ気になり上手く作品に乗れない。
これは今後問題が起こりそうで恐い。
「不謹慎とか言う人はどの立場でものを言ってるんだ！」という旨の監督の発言を見て、
あんた達が悪ノリしなきゃ別に言わないよ！と思った。
過剰な宣伝無しにこの作品と向き合える人たちは本当に羨ましく思う。
