TECHI

エジソンズ・ゲームのTECHIのレビュー・感想・評価

エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)
3.0
夜の深淵から浮かび上がる、一筋の脱出の光。それに照らされ燃え上がった、感情という名の火種は連鎖し、大衆は陶酔という名の臨界へと達した。技術は加速し、発明は神として崇拝され、その神は、思想という名の果実を、市場へと降り注ぐ。そこに広がるのは、理性を忘れた、欲望の配線図。天才という名を冠した男たちは、未来を語るふりをして、過去を奪い合った。彼らの間に流れるのは電流ではない。それは、正義に擬態した権利と名声の導線である。志を燃料に、発明は理性を燃やし、名声は存在を歪めた。真理とは何か。正義とは何か。どこにあるのか。特許の壁の向こう側で、存在に輪郭を与える無名の構造は、呼吸を止め、功績への囁きが、耳鳴りのように響き続ける。本作が示すのは歴史だ。ただそれは、勝者によるプロパガンダで構成された真理。その真理はどうやら、語り手に依存しているようだ。
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