アカエリヒレアシシギ

空飛ぶタイヤのアカエリヒレアシシギのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
4.0
見応え十分な池井戸企業エンターテインメント『中小運送会社VS大手自動車メーカー編』

ストーリー展開は
ある一つの事件をきっかけに、大手から責任を負わされる中小企業。そこにどうしても納得できない主人公。
それぞれ組織や個人の思惑がひしめき合う中、主人公がこれまで泣き寝入りせざるを得なかった企業、大手体質に疑問を持つ社員とともに反撃を仕掛ける…といった内容。

また今回はただの大手企業としての描き方だけではなく、財閥グループとして描かれているため、関連会社の動きなのも楽しめるのは新鮮。
物語の性質上、専門用語も多用されているが、素人でも自然と理解したような気持ちにさせられるのは毎回驚き。

学生から現役のサラリーマンまで存分に楽しめ、自分の置かれている状況や作中のどの登場人物に自分を重ね合わせるかによって、見え方も変わってくる非常に緻密に作られた作品。
他の池井戸作品同様、1人1人の登場人物の立て方に最大限こだわった全ての伏線におけるその後の展開が、最高の読後感をもたらす120分。