TKE

ワイルド・スピード/ファイヤーブーストのTKEのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「ワイルド・スピード」シリーズ最終章突入ということで、どうやら3部構成(もしくは前後編+最終章)の1つ目という位置づけのような今作。

初っ端で過去作の因縁から始まり、まさに「ワイスピオールスターズ」というような作品になっています。

故に過去作を見ていてかつ覚えていないと「誰、この人?」というのも多く、また「死んだと思っていた人が実は行きていた」パターンもある作品なので、ある意味アベンジャーズより見ていてややこしくなるところもあります。


今作の敵はシリーズ5作目(作中10年前)の「MEGA MAX」の敵であったレイエスの息子「ダンテ」
ダンテは父と金と自由を奪ったとして主人公であるドミニクを執拗に狙っており「死よりも恐ろしい目に合わせる」ということを目標に執拗にドミニク周辺の人物を狙い続けます。

このダンテを演じるのがDCヒーローの「アクアマン」で名を馳せたジェイソン・モモアですが、サイコっぷりがたまらなく格好いい!

普段は飄々としながらやることは残酷極まりなく、敵を従えるために各身内を人質にしたり、追い詰められても2手3手先を読んで罠を仕掛けたり敵を欺いたりする策士でもあります。
また、死体とお喋りするというお茶目で不気味なムーブをかましてくれる、ストレートにヤバい人物です。

常に余裕がある態度、徹底的な残虐さがヴィラン役として大ハマリで、ジェイソン・モモアの演技は流石の一言でした。


ストーリー的には今までの「○○を取り戻すために頑張ってくれ」というようなものではなく、ダンテの策略によりドミニクファミリーがバラバラになってしまったので再集結する…というものになっています。

主に「孤立したドミニクがいざという時の集合場所へ向かう」「息子のリトルBとドミニクの兄ジェイコブの車旅」「捕まったレティの脱獄」「国際指名手配されたファミリー達の逃亡劇」の4パートが同時進行していきます。

ここに過去作で登場した「神の目」や前作ラストの場面であったハンとショウの邂逅、かつての恋人の忘れ形見等が散りばめられています。

なので、各アクションシーンやカーチェイス等は見応えがありますが、話的には特にこれといったものはなく、どちらかというとお祭り的な位置づけなのかな、と思いました。
その分、複雑に事を考えないで格好いいアクションを見ていられる映画という印象です。

冒頭ローマにて中性子爆弾が爆発して車やら人やらがふっ飛ばされながらも死傷者0とか、ファミリーやジェイコブは移動にメチャクチャ苦労してるのにドミニクはなんでそんなスイスイ移動できるの?とか、秘密組織の警備やセキュリティがザルすぎだろとか、ツッコミどころは結構あったりもするので、細かいことを考えたらそもそもダメなんだと思います。

個人的には久しぶりに路上レースのシーンが展開され「やっぱりワイスピはコレだよ!」という事を感じられ良かったです。


…で、最後ですがまさに「ここで終わるの?!」というところで終わります。

今作は敵の紹介的な意味合いもあったのでしょうが、投げっぱなしというか驚くくらい中途半端なところで終わります。
そして、その続きの公開2年後とのことらしいので内容を覚えていられる自信がありません。公開直前にもう一度見るか脳に焼きつけておかないと…。

また、ファミリーとは別ですが重要人物としてホブス(ドウェイン・ジョンソン)がいますが、本人が公言した通りカムバックしてくれるようです。
一時は主演のヴィン・ディーゼルとの不仲説もありましたが、やはり彼がいないと物足りなさはありますよね。

ショウ含め、本格的に大暴れするのは次回作以降だと思いますが期待大です。


カーチェイスも見どころではありますが、個人的に一押しなのはレティ(ミシェル・ロドリゲス)vsサイファー(シャーリーズ・セロン)の女性による肉弾戦対決。
闘う女性って格好良くありませんか?散々殴り合ったあとのオチも含めて最高でした。
TKE

TKE