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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のもちのレビュー・感想・評価

3.0
邦題からチャーチルの輝かしい功績を讃える作品をイメージしていたが、観てみるとチャーチルが苦しい状況に立たされており、輝かしさは全くなかった。原題はDarkest Hour。
このタイトルの方がしっくりくる。

そしてこの映画はあくまでも、史実を基にしたフィクションだ。
例えば作品の肝である地下鉄でのエピソード。
これも創作であり、実際にはそういう記録はない。

イギリス人にとっては間違いなく胸熱な作品だろうが、外国人からすれば、「ダンケルクでの救出作戦が成功したから良かったものの、失敗していたらチャーチルの歴史的評価は今と正反対のものになっていただろう」と冷静になってしまう。
しかしあれだけの胆力と、情勢を読む力(日本が真珠湾を攻撃した時、これでイギリスは戦争に勝てると言ったとか。)、そして魔術師と呼ばれるほどの言葉のセンス。
歴史に名を残す、相当の人物だったことは間違いない。

そんな彼も妻には頭があがらず、ブタちゃんと呼ばれているのは可愛かった。
実際に二人はおしどり夫婦だったとのこと。
ちなみにチャーチルはダイアナとも遠縁にあたり、その祖先には18世紀にアン女王の女官だったサラ・チャーチルがいる。
サラについては「女王陛下のお気に入り」で詳しく描かれているので、そちらを観てみるとより面白いかも。
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