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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のliftmanのレビュー・感想・評価

3.8
言うほど似てない気がする。
そりゃ元が違いすぎ。
渡部篤郎が田中角栄か吉田茂やるくらいムリがある。
それでも冒頭の暗くぎゅうぎゅう詰めで煙っぽい国会のシーンから素晴らしく、そんなのどうでもよくなってきてどんどん戦時下のロンドンに引き込まれていきます。
戦闘のシーンはほぼないですが、街を行き交う人々の様子や、重く灰色がかった映像で十分その雰囲気。
個人的にはもっと破天荒に暴れまわる映画と思っていましたが、それよりも当時リーダーとしての苦悩とか友好国の頼りなさとか、政敵の足の引っ張りようとか、原題どうりの暗い時間が長かった。
それだけに、地下鉄から演説にいたるまではなんだか泣けてしょうがなかったです。
それもこれもやっぱりゲイリーオールドマンの外見含めた演技に説得力あったからかと。

みなさんダンケルクのことをおっしゃっておられましたが、その通り。
劇中知り合いのこと心配になるみたいに、ふとあのパイロットとか民間人の船長とか少年兵とかに思いを馳せてしまいます。観ててよかった。
カレー守備隊のことも描かれており、当時の日本のことも考えると複雑な気分になりました。
本土決戦とか、島国ってことで日本と状況はよく似てたのか。そのあたりの表現は実に微妙に感じました。

脇がなかなか良いのも嬉しい。
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