Iri17

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のIri17のレビュー・感想・評価

3.5
ジョー・ライトは歴史映画を撮ると、毎回面白いですが、今回もなかなか。

ゲイリー・オールドマンの演技がとても素晴らしく、まさにチャーチルそのもの。見た目も仕草も本当にチャーチルを見ているようだった。

ただチャーチルをとことんヒロイックに描いているのだが、チャーチルはそんなに単純な人物ではない。彼がいたからヒトラーの世界征服の野望は挫くことができたし、イギリスだけでなく、今日の世界は彼がいなかったら無かったかもしれない。一方、チャーチルは生粋の帝国主義者で、また無謀な作戦で多くの兵士が死亡したが、無関心だった。そんな人物をヒーローとして描き過ぎていると感じた。
チェンバレンはともかく、ハリファックスは評価できる点もあるのだが、チャーチルは善、反対者を完全にヴィランのように描くのはどうなのかと思った。まあ確かにチェンバレンのせいで第二次世界大戦が起きたと言っても過言ではないのに、お前に偉そうなこと言われたくないよ!とも思いました。

総合評価としては悪くない映画だと思いましたが、あの『アンナ・カレーニナ』を撮ったジョー・ライトにはもう少し期待してました。まあ、今回もすごいジョー・ライトしてましたけどね。
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