同じ史実をテーマにした映画ながら、クリストファー・ノーランの監督の力を見せつけられた「ダンケルク」とは対極の作品。ほぼ会話劇なのに脚本と演技の力による緊迫感が半端ない。この順序でみれて非常に良かった。
ウィンストン・チャーチルの葛藤と強い意思を余すところなく演じ切ったゲイリー・オールドマンと、メイクアップアーティスト辻さんの素晴らしさに尽きる。
なんとも強く気高い妻の後押しや、プレッシャーからの失語症、ダンケルクで兄を失った秘書の存在、和平交渉への譲歩、地下鉄のくだり、王の訪問、閣外大臣たちへの演説など、感動的なシーンのたびに、どこまで史実なのか?と気になってしまった。
孤独に戦う姿はまさにリーダーの現実であり矜持なのだけど身につまされる。
意思が不可能を可能にする。