バン

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のバンのレビュー・感想・評価

3.5
ライティングに凝りまくった映像が印象的。ゲイリー・オールドマン太ったら結構可愛いんだなと。
「傑作」歴史エンターテインメントというほどのことは無いような気がするけど、映画ってタイミングが大事なんだと改めて思う。ブレグジットのせいなのかチャーチルが今注目されている(気がする)のは強いリーダーシップを無意識に求めているのかも。

それはともかくこの映画が彼の一面を描いた娯楽映画だということは当たり前だけど留意が必要だと思う。この人が先見性と決断力を持った卓越した政治家だということは間違いないけど、同時にゴリゴリの帝国主義者で人種差別的な考えを持っていたのも歴史を見れば明らかだから。

個人的に思った事。
内心は首相になりたくて仕方がないのに育ちが良い貴族なのでがっつけないハリファックス卿。神輿を担がれた時にすぐに乗ればそのまま首相になれたのにとりあえず遠慮してみせたらあっさりスルーされ、いろいろ政局を巡らすも結局左遷され歴史に名を残すことはできず、この映画では悪役扱い。一方のチャーチルは遠慮なんか一切せず首相に指名されたらあっけらかんと家族で乾杯。この二人の鮮やかなコントラストが一番印象に残った。

個人的に思った事②
日本人なのでアメリカとの共同研究であるマンハッタン計画についても描いて欲しかった。

個人的に思った事③
同じ島国だけどドーバーよりも対馬海峡の方がずっと広くて良かったなと。ドーバー海峡ぐらいの泳いで渡れる距離しかなかったら今の国体はなかったのは確実だし。
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