川崎邦彦

移動都市/モータル・エンジンの川崎邦彦のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ピーター・ジャクソン脚本製作で送る終末戦争後の巨大な移動都市による弱肉強食の世界

フィリップ・リーブ原作のファンタジー小説「移動都市」シリーズ四部作の一作目を映画化した本作品

終末戦争により文明が一度滅び今から1700年後の世界ではかつての文明世界の物は遺物となり、少ない資源を奪い合う巨大な移動都市が大地を走るスチームパンクな世界で繰り広げられる冒険活劇

まず冒頭からいきなり移動都市同士のシティチェイスと捕食シーンから始まる度迫力の展開

巨大な車輪やキャタピラに乗った街が土煙を上げ轍を作りながら激走し、大口を開けて文字通り捕食するだけでももうワクワクが止まらない❗

内容的には「マッドマックス」や「スター・ウォーズ」の様な既視感があり新鮮味は薄いが同じ様な映画は他にいくらでもあるのであまり気にならない

中盤以降ロンドン以外の移動都市が出なくなり飛行船が主力になるのが物足りなさであるがある意味で大艦巨砲主義が航空機に敗れた感じが過った

ラストは「ロードオブザリング」のヘルム渓谷か黒門を彷彿させる巨大な壁と量子ビームの攻撃による戦いのシーンが見せ場であり、重力子放射線射出装置かよ❗って思いながらお口あんぐりでした(笑)

とにかく移動する都市のデザインが多才で巨大な建設機械や車輛の様でスチームパンクも相まって男の夢の世界である
何あのムカデ❗(笑)

壮大な世界観に対してストーリーが詰め込みすぎで勿体ない部分は確かにあるが、これを二作品以上のシリーズにするとなると逆に今度は展開や見せ場が足りなくなり冗長になる可能性もあり、簡単に続編が作れないこの御時世だけに確実に一作品で纏めた力業は「ロード~」で培った経験によるものかもしれない(苦渋の決断だろう)、ある意味今作はピーター・ジャクソンによる弟子の一人立ちの為に作った感じなのだろう


そうゆう意味では単体長編映画初監督作品としては完成度はまずまずと言えると思う

僕は大好きな作品世界観です
お腹一杯になれました🎵

移動都市の車輛を見て「ネバーエンディングストーリー」のロックバイターを思い出したのは僕だけじゃないはず(笑)
川崎邦彦

川崎邦彦