タク

孤狼の血のタクのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.5
日本映画に名を残す程の衝撃作、、 「警察じゃけ、何をしてもええんじゃ」
[ストーリー]
昭和63年。呉原市では尾谷組vs加古村組の対立が激化、事件の発端は加古村組が一般人を拷問させ殺害した事件がきっかけである。
この事件を呉原東署のマル暴刑事
大上(役所広司)とその元に配属された新人刑事日岡(松坂桃李)は捜査を開始する。
しかし、今まで冷戦状態だった2つの組は更なる激しさを増していき、、、。
[キャスト]
役所広司 松坂桃李
真木よう子 滝藤賢一 中村倫也
音尾琢真 田口トモロヲ 矢島健一
石橋蓮司 / 竹野内豊
ピエール瀧 駿河太郎 中村獅童
江口洋介
[監督] 白石和彌
[感想]
・日本を代表する俳優陣が集結。

~主演の役所広司~
今作で1番の輝き、圧倒的な演技力を見せつけた役所広司。
広島弁の訛りや型破りな刑事を演じさせたら右に出る者は居ないな!と見ていて思いました。
ヤクザを拷問するシーンの狂気的な顔、
尋問するシーンも迫力が物凄いですし、ここまで振り切って演じた彼は流石ですね!
~豪華な脇役陣~
尾谷組に所属している江口洋介。
まぁ勿論ハマっていたし、役者本人の元からあるオーラも存分に出ていまたね。
けど、他の演者が体をはったシーンが多かったので江口洋介の様な大御所が体をはったシーンが見たかったですね。

加古村組に所属している竹野内豊。
映画冒頭の豚小屋のシーンでも登場しておりこの作品には「こんなイカれた奴らが沢山出てくるだぜ?」と視聴者に試してる様に感じ、特に竹野内豊は親分的な立ち位置で指を切り落とすシーンは、狂気的な怖さがあったし、ハマり役でしたね!
けど、後半に行くにつれて印象に残る様なシーンに出てこないのでもっと出てきて欲しかったなと思いました。

大上達行きつけのスナックのママ
真木よう子。
そこまで物語に関わってこないかな?と思っていたら思いっきり大上(役所広司)の過去に関係のある人物であり、結構なキーマンでしたね。
演技があまり好評されない彼女ですが
スナックのママの役には見事にハマってましたね、音尾琢真に復讐する時には気迫ある演技で見事に孤狼の血の世界観にハマってました!

新人刑事、松坂桃李。
この作品は松坂桃李演じる日岡の成長ストーリーと言えます、、
最初は大上の行う極悪なやり方に嫌悪感を抱いていたが、徐々に明らかになる
大上の過去、何故ここまで非道な手を使ってでも証拠を掴もうとするのか、、
全ての真相を知った後に日岡は変わります。
2人のコンビは見事に対比になっていたが、後半の日記のシーンでは感動してしまう位、2人の関係が複雑に絡み合ってあの日記のシーンは心に残りますね。

・過激な描写の連続
絶対にテレビで放送できないくらい過激な描写が多かったですね。
2時間見ていてどっと疲れてしまいました(笑)
グロいシーンは映画好きならそこまで気にならないが、映画冒頭の豚小屋のシーンや、ヤクザ映画ならではの拷問のシーンが中々きついですね。
死体は普通は写さなくても物語としては理解出来るが、あえて死体をしっかりと写すことにより物語にリアリティを与えていましたね。
結構トラウマレベルの死体連続なので、ご注意を(笑)
[最後に]
この時代にあえて古臭いゴリゴリのヤクザ映画を制作する心意気は東映の本気さを感じましたね。
バイオレンス描写ばかり注目されがちですが、バディ物のとしての良さや、
リアリティのあるタイムサスペンス物としても面白いです!

一言言うならもっと早く見たかったな、っていう位のめり込んだし面白かったですね!
タク

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