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ルージュの手紙のbijouxcoのレビュー・感想・評価

ルージュの手紙(2017年製作の映画)
3.0
義母(カトリーヌ・ドヌーヴ)に対するクレーヌ(カトリーヌ・フロ)の複雑な感情。昔、父を捨て出て行った義母。再会後、病気を発症しても不摂生な生活を変えない彼女に腹を立てながらも見捨てられないクレーヌ。それは、血縁はなくとも親子として過ごした年月だけではなく、助産師でもあるクレーヌの元来の慈悲深さに由来するのだと思う。既に亡くなっている父を通して、血縁の親子より親密ともいえる特別な時間を過ごす。

心に残ったシーンは2つ。
クレーヌが昔助産師として出産に関わった赤ちゃんが、妊婦としてクレーヌと分娩室で再会する場面。20年以上前の出産を鮮やかに覚えていて、当時について語るクレーヌ。クレーヌの輸血で命を助けてもらったとお礼を言う彼女に「仕事だもの」とさらりと答えたときの、包容力いっぱいの表情がとても素敵だった。
もう1つは、タイトル「ルージュの手紙」。封書の開封シーン。キスの伏線が効いていてグッときた。

菜園のそばの川の意味がよく分からず、何か意味が込められているのかなーと思いながら見終わった。振り返って今ようやく気づいたけど、あれもセーヌ川の支流なのか。
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