お互いが唯一すぎて、いつまでもひとつでありたかったのに、ずっと同じ関係のままでいられない。あまりにも近くてあまりにも互いを愛しているから、ちょうどいい生ぬるい距離感なんか掴めなくて、ギリギリの均衡も保てないから、傷ついたり傷つけたりして遠ざける。でもやっぱり愛してるんだね、一緒に生きていこうねと寄り添った途端、すぐに別れがやってくる。美しくて切なくて、あまりにも無垢なふたりの友情という言葉ではおさめられない愛憎のはなし。
幼い頃からの友達ほど、環境が変わった時に互いの溝が浮き彫りになってどうしていいかわからなくなる。同じような距離感の友達がたくさんいたらうまいこと距離を置いて、ちょうどいいところを探れるのかも。でも安生と七月はすごく遠回りをしたんだな、離れていた時間もすごく長いのに、それでもあんたを愛してる、あんたは私の親友、にたどり着くんだな