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ファースト・マンのPのネタバレレビュー・内容・結末

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

最後奥さんが赦してくれて良かったね……!!
【アームストロング船長は数々の苦難を乗り越え、遂に人類の夢である月面着陸を果たした!】みたいな内容かと思って観たら、そうでもなかった。

同僚の死、世間(特に黒人貧困層)からの非難、妻との諍い、数多の困難に遭いながらも、命がけのミッションをこなし続け、最後は月面着陸を成し遂げるニール。でもなぜそこまでしなければならないの?死んだ娘や仲間たちへの想いがそうさせるのか?でももしそうなのであれば、それは生きている二人の息子や妻よりも優先されるべきものなのか?あまり共感は出来なかった。

何故か最後の30分間、ニールが家を出発してから月面に着陸するまではほとんど何も感じなかった。映像はとても綺麗だったけど。なんか急に別の映画観てる気持ちになった。不思議。まあ成功することを知っていたからっていうのもあると思うけど。最後の最後に奥さんと対面するところは緊張した。

初めて船で海を渡った人、初めて飛行機で空を飛んだ人は、「そんな命の危険を冒してまで遠くに行くことに何の意味があるの?」と皆に言われ続けただろう、でも彼らのお陰で今日の世界がある...それは理屈ではわかるんだけど、でもやっぱり感情的には「なんでそこまでして宇宙行かなきゃいけないの?」って、以前から思っていたし、この映画を観て改めてそう感じてしまった。科学研究に携わる人間として落第だろうか...。

奥さんが「普通の生活を送ることを思い描いていたが、旦那の仕事によって、それが叶わなくなった」みたいなことを言うシーンがあるのだけど、(極端に解釈すれば)妻の人生が夫の仕事によって決定される、って言っているように聞こえて、ちょっと意外というか、今日的ではない表現だなあと感じた。あと途中で黒人がNASAの活動を批判するシーンがあって(俺達の生活より白人が宇宙に行く方が大事なのかよ、的な批判)、アメリカの人種差別騒動を見ている今日においてははいやほんとやな、と思った。
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