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ファースト・マンのkinotoushiのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
2.2
とても個人的な印象だけど、デイミアン・チャゼルの作品って映像美や作品全体の完成度は高いけど、人間を魅力的に描くという点ではあまり上手くないなと思う。なんかどのキャラクターも型にはめたようで個性がない。エリオットにしてもエドにしてもストーリーのためのキャラクターであって、キャラクターがストーリーを動かしているという感じがしない。実際あった出来事を作品にしたからそうならざるを得ないと言われるかもしれないけど。

ニール、ここまで内向的でリスクジャンキーで「ホウレンソウ」をしない人を発展途上段階の宇宙船のキャプテンに据えていいんだろうか、という疑問が湧いた。これじゃあ優秀とはいえ同乗するクルーや関わってる人間が苦労する。国家的ミッションの矢面に立つ人間の苦悩を描いた物語とはいえ、人間描写にちょっと難ありだったんじゃないかと思う。そりゃクレア・フォイも怒るわ。

ただこれだけ書いてなんだけど、決して面白くなかったわけじゃない。全体的な質の高い映像と統一感、音楽のセンスの良さと音の使い方、着陸用ポットから月に降りる瞬間までのシークエンスの美しさはさすがだと思った。多分デイミアン・チャゼルの才能が輝くのって、会話劇やヒューマンドラマみたいな個人の感情の機微を描く作品じゃなくてテンレス・マリックみたいな言葉に頼らない作品なんだと思う。