ドータクン

冬の旅のドータクンのネタバレレビュー・内容・結末

冬の旅(1985年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


旅や移動、をモチーフにした映画は、得てして主人公の「変化」や「成長」を追ったものが多いように感じる。
もしくは、旅(または旅に出た理由)を通して主人公の本質を知るような...。

さてこの映画では、どうなのだろう?と観てみると、まさかの冒頭で死んでしまうことが示唆される(?!!)

時折、彼女と関わった人たちのインタビューのようなものが挿入されるのだが
それも何とも淡白。まるで彼女の存在が、すぐに忘れさられて消えていくような感覚を得る。

ただそれも、主人公の振る舞いを見ていると納得できる。
怠け者で、人のものを勝手に飲み食いして、怒られると逆ギレ。頼まれていた仕事もやらない。ありがとうも決して言わない。
幼さ、傲慢さ、身勝手さ。

自由に生きたいと、何者にも囚われたくない願いながらも、他者からの支援を期待する厚かましさ。

人間の本質は、旅をしたからといって変わらないのである。
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