淡々としていて退屈なんじゃと心配していたけれど
最初から物語に惹きこまれる。
なんていうかとても爽やかで、一途で、
美しい映画。
裕福な家庭に生まれた
奔放で偏屈なセザンヌと、
移民の貧乏な家庭に生まれた
真面目で世渡り上手なゾラ。
2人の友情と決裂とそして
成功と失敗と、
芸術への情熱が
美しい南仏の彩りの中で描かれる。
むかし
大学の講義で読んだ、
ガスケが記したセザンヌとの対話
でセザンヌが語る思想が、
とても深く、鮮やかで気になっていたのだけれど、
この映画をみて彼のことがよりいっそう好きになった。
けれども唯一の親友であるゾラからも、
理解されずに終わる最期はとても寂しい
それでもひたすら描き続けた彼は、
本当は純粋でまっすぐな人だったんじゃないだろうか。
世間から彼が理解されるのがもう少し早ければなあ。
ゾラの小説も読んでみたくなった。