このレビューはネタバレを含みます
【AC対決】
自分と再婚しようとしている婚約者の前妻が、やたら干渉してくるので面倒臭いという、いかにもありそうなお話。
前妻Tessaと後妻-to-beのJuliaが、外見から性格まで真逆のタイプ。完璧主義のTessaと、ちょっとズボラな感じのJulia。DavidはよほどTessaに懲りたのでしょう(^^)。役名を見る限り、離婚が成立していないようですし。
こんな怖い目に遭うくらいなら、Davidとさっさと別れた方が楽そうですが、これまで父親からも元彼からも正しく愛されたことのなかったJuliaが、初めてマトモな愛情を示す男性と出会えたと喜んでいたのなら、Davidとの生活を決して手放したくなかったとしても不思議ではありません。
また、一見完璧に見えるTessaのような女性は、驚くほど自尊心が低く、未だに毒母の支配下にいます。あの毒母も満足を知らないので、娘にもっともっと上を目指せと鞭を打ちます。Tessaが母親に愛されて幸せを実感できたと思える日は来ません。Davidに対しては愛情ではなく猛烈な執着心。自分の人生をより「完璧」なものにする駒として欲しているだけです。
TessaもJuliaも毒親育ちですが、Juliaは関係を絶ち、Tessaは影響を受け続けているという点でも、両者は大きく違います。
“Rebecca” や “The Hand That Rocks the Cradle,” “Gone Girl”や『スマホを落としただけなのに』などでも使い回されている要素が多く、目新しさはありません。TessaとJuliaを単に加害者 vs 被害者として描くのではなく、それぞれの幼少期をもっと掘り下げれば際立った作品になったのかなと思いました。
それでも良い意味で、最後までイライラ、ハラハラさせられました。Tessaが一心不乱に銀食器を磨く姿は怖い(^-^;)
