のこ

勝手にふるえてろののこのネタバレレビュー・内容・結末

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初はヨシカのことを「凄いクセのある子…!いや、ええと思うよ!」って掴みどころのない面白いキャラとして見てたのに、時間が進むにつれて、「うわー…わかるわ…ヨシカ…」って自分と重ねて観てしまう部分があった。

低すぎる自己肯定感、自信の無さ、案外孤独でもないのに勝手に陥る孤独感。そして人並み以上に持ち合わせている自尊心と承認欲求。一般的な人間(というか自分だよね)は、他者にそれを悟らないように、見くびられないように、そのギャップを埋めようと無意識のうちに一生懸命取り繕うわけだけど、ヨシカはそのギャップを想像力でもって埋めて徹底的に現実逃避。大人になってもコレが出来るってある意味すごいなと感服する。自分も親に怒られて辛かった時や小学校でカースト違いの女の子を好きになった時、頭の中で別の自分を作り出しては想像の世界を膨らませたけど、10代も半ばに差し掛かればそんなものは自然と萎んでいったもの。現実を知って、今はもはや想像するだけの集中力も希望もない。だからさ、客観的に見ればヨシカはただの「拗らせ女子」かつただの「イタいキャラ」だけど、それだけ人生に対して本気で純粋な姿がほっとけなくてかわいくて応援したくなってしまう。むしろあんなに真っ直ぐにちゃんとイタい彼女が羨ましくもある。

そんなヨシカが最終的にイチという「理想」ではなくて二という「現実」とぶつかり、そして能動的に選択するところも、彼女の成長物語を観ているように感じていた自分はちょっとした安堵と共にこの映画を終えられて嬉しい。

途中でミュージカル風な演出もあったりと好みは分かれそう。自分にはピッタリハマりました。
ラストのヨシカ(というより松岡茉優の演技)はカッコよかったなぁ〜。
のこ

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