主人公の演出と演技が大胆かつ繊細で、彼女の心情描写がとてもリアルで胸に迫ります。
中盤に彼女が歌うシーンが個人的に一番の山場で、そこまでの組み立て方が特に素晴らしいと思いました。
残念な点は、男の描き方が相対的にリアリティレベルが低く、各キャラクターが単純化、理想化されてしまっていると感じられたことです。主人公視点の映画なので、彼女からどう見えるかを描くのですが、それにしても奥行きが感じられません。原作脚本監督が女性だけだと難しかったでしょうか。
そんなわけで、女性向けファンタジーの範囲にとどまりますが、広くお勧めできる作品です。