大一

勝手にふるえてろの大一のレビュー・感想・評価

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.5
序盤よりも後半にかけてじわじわと面白くなっていく映画。
最初はヨシカという人物がどのような日々を送っているかが描かれる。そこで描かれた人間関係が後半の展開に衝撃を与える伏線になっている。
中学校から脳内で片思いをしてきたイチと現実で告白されたニとの間で揺れるヨシカだが、脳内の相手であるイチが現実に現れたことを機にヨシカの日常が良くも悪くも変化していく。過去の思い出を再生し繰り返すだけなら自分も傷つきはしない、しかし自己完結してしまういわゆる「妄想」では自身を満たすことも繋がりを得ることができないヨシカは自分をさらけ出しながら、居場所を失いながら、現実に生き、前に進む。
ニの自信に満ちながらもどこか抜けた接し方をしてくるところや、同窓会に馴染めない立ち位置などリアルな描き方が共感を生んでいる。
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