けんけん

勝手にふるえてろのけんけんのネタバレレビュー・内容・結末

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

松岡茉優さんの演技が上手でした。主人公の細かな気持ちのニュアンスを巧みに表現出来ていました。この主人公のような気持ちになったことはあまりないですが、考えさせられることがたくさんある映画でした。

自分以外の世界とうまく関われなくて、そんな自分を妄想に頼って必死に守ってきた主人公が、現実を突きつけられたことをきっかけに、葛藤しながらも外の世界に踏み出そうとした話です。

「勝手にふるえてろ」というタイトルは自分自身への言葉だと思いました。
外の世界に踏み出すのが怖くて震えてる弱い自分と決別するため、つまり自らを鼓舞するためです。


また、映画版では「勝手にふるえてろ」というセリフを自分自身に言い聞かせていますが、原作の方では、「イチなんか、勝手にふるえてろ」と心の中で言う表現になっています。
ではなぜ、”原作と映画でこの言葉を言う相手を変える”のか自分なりに考えてみました。

原作の方ではイチに対して、「勝手にふるえてろ」と言っていることから、まだイチに固執している気持ちが現れているように感じます。

対して、映画版では「勝手にふるえてろ」というセリフを自分自身に言い聞かせており、イチの存在は全く感じられません。
つまり、原作よりも映画の方がよりイチを含む妄想の世界から解き放たれている表現になっていると思いました。
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