Yuri

レディ・マクベスのYuriのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
2.4
フローレンス・ピューの2016年の初主演作。顔めっちゃ幼い!と思ったら当たり前か(^^;) それでもラストシーンは冒頭と同じ構図カットで一気に老け込んだ険しい表情を魅せていて、流石、演技で引き込むフローレンス・ピューでした。でも、大作以外は殆ど彼女の演技力頼りの実に微妙な作品に出ることが多く、本作もそう。シンプルなストーリーで彼女の演技だけで見せていく構図になっていて、他の俳優さんの演技が光っているということもなく。アナ役の女優さんは結構イイ線いってたと思います。愛というより欲ですよね。ただの欲なら去る者は追わず次に鞍替えすればいいと思うのだけど、それをしないのは、経験が少ない故の子どものような執着心なんでしょう。ただ、そんな彼女をレディ・マクベスに例えていますが、キャサリンの周囲の人々も貴族の仮面をつけているだけで相当非道な人々の集まりなので、彼女だけが突出して悪というわけではなく。殺害は飛び越えちゃった感あるけど、不倫程度ならあの環境では誰もキャサリンを責められないと思います。男性は許してもらえて、女性だと責められがち、騒がれがちなのは現代でも変わっておらず、何百年経っても殆ど変わらないのかーと思うとこの世に絶望を覚えます。傷つける側にも傷つけられる側にもなりたくない。でも、そうしないと囚われのキャサリン如く、部屋にこもりっきりでいるしかなくなり、人生が色褪せ死んでしまう。それを数百年、見て見ぬふり、鈍いふりをし続ける男性って相当、邪悪な存在だなと思ってしまいました。初主演から発掘されて当たり前の凄みある演技を見せているフローレンス・ピューには次はエンタメとしても楽しめる作品に出て欲しいです。
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