"ガイドになると 探究をやめてしまう"
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モダニズム建築の静謐な佇まいをまるで図面を引いたような計算された構図で美しく魅せる傑作。
微かに聞こえる虫の鳴き声と風鈴の音、"父親の不在"に小津作品をはじめとする日本映画の寂寥感が滲む。
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"建築は人を癒す"を証明する作品であり、"映画は人を癒す"を体現する作品でもある。
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パンフレット収録の批評でも作品名が挙がっているが、建物が単なる舞台装置としての役割を超え、役者のひとりとして存在感を放っている点は『ガタカ』と重なる。
現代劇と近未来SFでジャンルは違えど、完璧に計算・デザインされている画面の気持ち良さは似ている。
どちらも建築好きには堪らない作品。
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"賢い電話(スマートフォン)とバカ人間"
という言葉にハッとした。