最初のシーン、雨が降っていた。
緑灰色の風景に柔らかく降る雨。
不思議なことに、その雨がずっと降り続いているような気がした。
本当はちっとも降っていなかったのに。
二組の親子が出てくる。
年老いた父を疎んじるジン。
母に束縛されるケイシー。
他人であった二人がことばを交わす。
煙草を貸し借りする。
コロンバスの建築を一緒に見て廻る。
静かで穏やかだけど、それぞれに別々の葛藤がある。
一番好きなシーンは、緑の庭園だった。
濃淡さまざまな緑の木々が風に揺れている。
緑を背景に父の後ろ姿。そして、息子の後ろ姿。
個人的に、どちらの親子関係に感情移入するかというとジンの方だろう。
僕だってどうしていいか分からない。
先に、一歩踏み出したのはケイシーの方だった。
平気な振りしてずっと我慢していた。
"who are you?"
対話の中から少しずつ本来の自分を取り戻す。
フロントライトの光の中で踊るケイシー。
やっと涙を流すことが出来たケイシー。
別れのシーンもやはり緑の中。
大丈夫、ジンもきっといつか踏み出す。
もう一つ、
映画を見始めた瞬間から、
不思議な多幸感に包まれていた。
どちらかというと哀しい物語であるにも関わらず。
それは、簡潔なエンドロールが終わってからもずっと続いていた。
魔法のような不思議な作品。
追記
今日、やっと「パターソンのマーヴィンTシャツ」が届きました😄 犬派でも猫派でもないけど可愛い😆
新しいTシャツのまだチクチクする感じが古い夏の記憶を思い出させます😊
夏への扉を開けた気分でした😌