小原ブラス

グラウンドブレイク 都市壊滅の小原ブラスのレビュー・感想・評価

3.6
邦題がびっくりするぐらい安っぽく、B級臭くさせているが、中身は良作。

パニックアクション映画ではなく、ノンフィクションの実話。
1988年12月7日に発生し2万人以上の犠牲者を出したアルメニア地震をアルメニアとロシア両国共同で描く。

アルメニアはソ連の構成国で、当時は1つの国だったのでベースはロシア語。ロシア語独特の言い回しが多く、この訳では伝わらないだろうと思わされる点にヤキモキとしながら観た。

自分が生まれる前に発生した出来事なので、少し聞いたことはあったがここまで酷いとは知らなかった。エンドロールでは作品で描かれたシーンと実際の写真を比べた映像が流れるが、ここまで再現してたかと思うと心がますます痛む。

全世界からの救助、支援物資、応援の言葉が助けとなったことが最後に描かれるが、鉄のカーテンで閉ざされたソ連にもこれだけの支援が届いたことを思うと、政治的対立なんて馬鹿らしいと感じた。

最近トルコで発生した大地震のニュースを目にするが、ニュースでみている以上に現地では悲惨な状況だろうし、今まさにドラマが生まれているのかもしれない。いつまでも残る傷となるのは間違いないが、アルメニアが立ち直ったように、トルコ・シリアの復興が1日でも早く進むことを祈る。
小原ブラス

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