あのアヴァンは鳥肌ものだった。
これからこの人の映画が始まるんだ、と。
物語は古典的なテーマではあるが
キャラクターの極端な味付けと、ミュージカルとオペラを問うものになっている。
その点だけでも、カラックスが『ホーリーモーターズ』で脱構築したものと地続きである。
アダムドライバーが主役であるかのように終わるけれど、アネットの変化にも力点があるんだろうな。解放される物語。
全ては皮肉めいており、自戒や怒りを感じさせる作品だった。
ヘンリー=カラックス。
カラックスの中では最もわかりやすい反面
若干の物足りなさも感じてしまった。
ここまでの「俺」感はすごいけれど。
まだまだ映画撮ってください。