『花粉でショウ』
花粉症で鼻がグジュグジュ。
そんな状態でこの作品を観たことを忘れることはないだろう。
むしろ、このグジュグジュの音がこの映画作品としてはよい味付けになっていたと思う。
行定監督、『パレード』からファンになっております。
行定監督の1つの味なのだろうか。
登場人物たちよりも、有機体として感じさせる景色、物、自然。
無機物なのに、有機体として感じさせる。
もっと言ってしまえば、そちらのほうがメインのように感じさせてしまう行定監督ワールド。
を!!
感じている自分。
鼻水グジュグジュ。。
音楽がどこか申し訳なさ程度に介入してくるときもあれば、時には鑑賞している自分に猛烈に突き出してくる瞬間がある。
この作品には、若いとか老いたとかそんな線引きはない。
猛烈な空虚感がいつのまにか、当たり前のモノとなり、そこにはニヒルな微笑みが誕生する。
時に破裂して、狂気となり、叫び、黒と赤のコントラストとして夜に血が滲み出す。
闇を照らす炎は、悲しみよりも、町中は好機の的。
この作品を観ている時、程よく余韻がある。
タバコの灰を落とす瞬間、まさにそれは音楽でいうところの休符となる。
度重なる映像から、私は頭の中で文字化する。
鼻水をグジュグジュさせながら。
させながら。