冨士洋

ハートストーンの冨士洋のネタバレレビュー・内容・結末

ハートストーン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の釣られた魚の中に紛れた1匹のカサゴは踏みつけられて無惨に殺される。
最後の最後、1匹だけ釣られたカサゴは唾を吐きかけられ海へ返される。
海の中へ沈んでいくカサゴが再び泳ぎだし暗い海へ消えて行く。
このシーンがなければただただ切ないのだが、切なさの中に少しだけ救いをみた。
幼馴染みの少年の思春期の心。
あどけなさの残るソールと大人びたクリスティアンの対比。
広く美しい世界と狭いコミュニティーの暮らしと人々。
思春期の悩みや葛藤、どうしようもない気持ちを吐き出す、ぶつける先や術が見つからないもどかしさ。
2人と自然が美しいからこそ、更に胸が締め付けられた。
僕には未だに分からない。
親友への友情と愛する人への愛情の区別が。
冨士洋

冨士洋