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夜の浜辺でひとりのmanamiのレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.7
いつもサン・ホンスだったかホン・サンスだったか分からなくなる監督の名前は、後者が正しいみたいです。いい加減に覚えたい。恐らく観るのは2回目、心に残っている「愛する資格…じゃなくて愛される資格がないからよ」というセリフ、痛い。愛される資格があるかどうか、本当はわかっているけどわからないふりばかりしてしまう。どうしてこんなに寂しいのか自分でもよく分からない。日常的に生と死の円環的な繋がりを感じながら底の方へ落ちていく感覚が訪れる。何の底なのか、果たして底があるのかも知らないけど。冬は苦手。わたしの中にある海は、冬でもとても穏やかで光を受けて輝き、遠くに小豆島が見える。凍てついた海、横たわる体、眼前に押し寄せるその海ではなく、わたしの中の海を一緒に見たい。たとえ資格がなくても海を一緒に見ることはできる?

彼女の顔、肩、そして涙に濡れた手にキスをした時、僕たちは不幸でした。僕は彼女に愛を告白し、心臓に激痛を感じながら、その時、初めて、僕たちに愛を邪魔するのがどれほど無駄で、些細で欺瞞的なものだったか悟りました。愛する時、愛について考える時、日常的な意味における幸福や不幸、日常的な意味における善悪の区別よりもさらに高尚なこと、大事なことから出発すべきである。そうでなければ何も考えるべきではないと気づきました。
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