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歓びのトスカーナのkuskusのレビュー・感想・評価

歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)
3.9
舞台は2014年のトスカーナ
脚本がずば抜けて良い、登場人物のキャラクターの描き方や会話に奥行き有り、緑豊かな「ヴィラ・ビオンディ」の施設は人間的で自分探しや休息を必要としている人たちにとって素晴らしい場所、それらを支える経験豊かな治療スタッフ、繊細な「精神病」がテーマだけあり優れた俳優陣による繊細な演技力、患者たちの日常を語ることで観る側に共感を呼び起こす監督による手腕、非人間的な収容・隔離が横行していた精神医療の世界を配慮を重ねチラ見せ

原題のタイトル「La pazza goia」が「狂気的な歓び」という意味を持つ

1978年、精神科医フランコ・パザリアの「精神病院のない社会」を実現させるために「パザーリア法」が施行、イタリア全土の精神病院を解体し、地域の精神保健センターへ全面転換を図ることを決めた精神保健法
2015年、司法精神病院を閉鎖する法律=患者の「自由」を大切にし、本人の人生にダメージになることを徹底して回避した、医師と患者が対等な関係を築く法律
2017年、世界で初めてイタリアでは精神病院が廃止
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