強引な箇所がありながらも予想以上に楽しめました。
精神的な問題を抱えた人たちが住む施設を脱走する2人の逃避行もの。
映像が良い。イタリアを舞台にしているからか色彩豊かで見ていて和みました。印象的な画面にしている部分もあり、映像的に大満足ほどではないですが良かった。
演出は普通。冒頭から惹かれる部分があったのでおそらく演出は良いんでしょうが具体的にどこが良かったが思い出せない。地味ながらも良い演出があったんだと思う。
脚本が良い。会話劇としても面白いけれど、構成の仕方がうまいなと思いました。冒頭で携帯を使う->取り上げられる->携帯を貸す->履歴を見る、そして履歴から何かあったんだと匂わす。この一連だけでも自然な物語の流れの巧さがわかりました。何か過去にあったんだと匂わすセリフが目立ちすぎずに入っているので、進むにつれて「過去に何があったんだろう」という興味を持たせる仕掛けになっていたと思います。終盤はもう逃避行だどうだ関係なく、完全に過去を克服する話になっていました。終盤の海のシーンのご都合さは引っかかるところはありますが、愛があるエモーショナルさで良かった。
脚本のうまさが光っていた気がしますが、脚本を伝えるための映像(おそらく演出も)が良かったからこそなんだろうなという感じがしました。
