このレビューはネタバレを含みます
正直、タイトルにはあまり惹かれなかったが薄幸な高橋一生が観れるならと思い鑑賞。
結論、展開にいい意味で振り回された気がする。
由加里が情緒不安定に見えるという前評判もあったが、思ったほどでもなかったので個人的にはそこまで気にならずに観ることができた。
会社で築き上げたポジション、それを守るために常に気張って生活して来たのだろう。家でそのフラストレーションを吐き出してしまうのは当然の流れだと思う。
桔平経歴になんの疑問も抱かなかった自分への苛立ち、何も知ろうとしなかったことへの自己嫌悪、それを上手く消化できず周りに当たってしまう。とてもよく分かる。
いざ本当のことが分かるかもしれないと思った時の迷いも、とてもリアルだった。
「(桔平が由加里と)どうして5年間も一緒に生活できたか分からない」と海原に言われてしまっていたが、桔平はかつての自分と由加里を重ねて見ていたところがあるのかもしれない。そう考えると回想での桔平の眼差しが、より温かみのあるものに思えてきた。
かつての自分と同じようで、少し違う、エネルギーに満ち溢れた由加里に生きる希望をもらったのではないか。
なぜ免許証をわりと本格的に偽装したのかは必要性が分かりづらかったが、そんなことを忘れさせるほど、病院での由加里の独白が印象的だった。
印象的といえば、桔平の元妻の最期も印象的すぎた。ちょっとしたトラウマ。
