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スキン~あなたに触らせて~のsakのレビュー・感想・評価

4.0
自分は単なるルッキズム批判では語れないと思った。映画のラストを観るに身体的/精神的(嗜好/性癖)にある種の特異性をもつ社会的弱者の心の有り様の話ではないかと思う。

人と違うというだけで痛い目をみる。信じて欲しい人に信じてもらえず、向き合ってもらえず、挙句には蓋をされる。誰にも理解してもらえない孤独から、同じ境遇の人に依存したり仲間を探したりひたすら打ちひしがれたり仕舞いには何かを諦めたりするが、あるきっかけで自分や他者を受け入れ肯定し合い、各々のコンプレックスから少し解放される前向きなエンドに向かって行く。
人魚のボトムは寄り添いだったし、「触らせて」は知りたい気持ちの現れで、整形手術は新しい人生を歩む決意だ。恋人はコンプレックス(容姿)を受け入れ愛してくれた。
現実はそう一筋縄にはいかないこともあるけど、それでもまず肯定が自分や他者への理解の最初の一歩になると思う。

群像劇なのがまた…。色んな障壁がある=誰しも大なり小なり個性をもつ人生の主役だ、というメッセージなのかなと思った。重いテーマだったけどポップな映像のおかげで最後まで観られた。一方で行き過ぎたユーモアもあり「何を見させられてるんだ」という気持ちにもなる。笑
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