アトミ

ザ・フォーリナー/復讐者のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フォーリナー/復讐者(2017年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

60点

イギリス ロンドン。
授業を終え、学生達が一斉に校舎から出てくる。
車で迎えに来ていたクワン・マイン(ジャッキー・チェン)は娘ファンと卒業パーティーのドレスを買いにナイツブリッジへ。
と、ショップ前に駐車してあった二輪が突然大爆発。周辺にいた人達やショップ等が巻き込まれる。

その頃。
UDI(アイルランド独立運動武闘派組織)はマスコミに「ナイツブリッジのOBT銀行を爆破した。コード名は“フェニックス”。ターゲットはイギリスの銀行。北アイルランド占領を利する融資を続ける銀行は爆破する」と犯行声明&爆破予告を入れる。
そのTELを取った記者イアンから一報を受けた編集長「大変だ!和平合意が崩れてしまう」


テロ現場。
運ばれる死傷者、ファンの遺体を抱きしめうずくまるクワンの姿を目の当たりにしたイアンは心を傷める。
死者12人。ケガ人はその3倍。

UDIアジト。
実行犯である青年が興奮状態で帰ってくる。アジトにいた1人が「移動しよう」と提案したが「ココが1番安全だ」とリーダーらしき男が却下する。


北アイルランド首都 ベルファスト。
早朝。
UDIによるテロの知らせを受けた副首相リアム・ヘネシー(愛人マギーとベッドの中。旧UDIメンバーだったが犠牲しか生まない争いに気づいたため和平の立役者となった)。
妻メアリーからもTELが入る。会議で帰れなかったと嘘をつくがバレて、逆ギレ。
メアリーは「今度の日曜日は弟の20回忌よ」と釘を刺し、リアムは「予定しておく」とTELを切る。


朝。
ハッピー・ピーコック(クワンのレストラン)。
ファンの部屋で放心状態のクワン。


その頃。
イギリス政府官僚キャサリン・デービス(ケイト)はリアムと連絡を取り、テロの情報を求め、リアムは今から行われる緊急会議で探ると約束。
が、最近「反発者」が増えてきているため、抑止力(交渉に使用)として「逃亡犯40名の恩赦(その中にはリアムの従兄も)」が必要だと内々に段取りさせた。

その頃。
レストランに警官が訪れ、ファンの遺品を渡す。クワンは犯人逮捕を願った。

会議室。
リアルは出席者(元UDIメンバー)に和平を守るべく国内外全ての武器のチェックを命じた。

ロンドン警視庁 テロ対策司令部。
クワンは毎日(5日連続)でブロムリー警視長を訪ね、事件の進展状況を確認し、早急な犯人逮捕を願う。お金を払ってまで犯人の名前(今わかってる情報)を聞き出そうとするあまりにも「執拗いクワン」にブロムリーは「関わるのは危険過ぎる」と忠告する。
クワンは中国からの移民時、2人の娘を失い、イギリスに渡ってから妻もファンの出産時に亡くしていた。

事件から3週間。
未だに進展なし。
クワンは独自に犯人を探すため、リアムへTELし、犯人に近い者の情報を聞き出そうとした(政治とテロは蛇の頭とシッポの関係でクワンの“ペット”だと考えての行動)がまともに取り合ってくれるはずはなく、TELを切られてしまう。

TELを切られてしまったクワンは手にした妻と2人の娘の写真に火をつけ、続けてタイの海賊が移民者の娘2人を殺害したという新聞の切り抜きにも火をつけた。
と、心配し、様子を見に来た従業員女性ラムにクワンは店の権利書を渡し、車を走らせた。
クワンはバンに「グリーン造園」の看板を取り付け、道具を積み込み、北アイルランドへ。


翌朝。
北アイルランド。
クワンは直接リアムに会いに行く。
が、スタッフに追い出されそうになるが現れたリアムは話に応じる。
クワンはリアムに犯人を探して欲しい、名を知りたいと頼んだが、リアムは「力になれない(権力がない)」と説明した。

クワンは諦めて帰ったように見せかけトイレで簡易時限爆弾を設置し、爆発させた。


警部に犯人の心当たりを聞かれたリアムだったが「ない」と答えた。
とりあえず「ガス漏れ」としてメディア対応すると言い、警部は去った。
と、クワンからのTEL。
ブチ切れリアム「ナメるなよ!」
クワンは犯人の名前を聞き出そうとするが答えないのでTELをブチ切る。

ニューヨーク。
リアムは甥ショーンにTELし呼び寄せた。

その頃。
ホテルに戻ったクワン。
爆弾作りを始める。
この日より、クワンはリアムに対して「爆弾を使った脅し」を始める。

クワンの宿泊するホテルを突き止めたリアムは部下を使ってクワンをこの国から追い出そうとした。
が、バレてしまいクワンは屋根裏部屋から逃げる(爆弾はベッド下に隠す)。
手下ジムらとバトルタイム。
中々のアクション。凄いぞジャッキー。
クワンは何とかトンズラ。

リアム邸。
クワンを逃がしてしまいリアムにブチ切れられるジム。
リアムはメアリーを連れ、農場へ身を隠すことにし準備させる。
ショーン到着。
リアムはショーンにロンドンの事件の犯人(裏切り者)を捕まえるためブロムリーと会い、味方にするよう指示した。

翌日。
クワンはレストランで「愛人マギーとキスするリアムの写真」を撮り、リアムにショートメールを送り「名前」を尋ねる。

グリニッジ 王立海軍学校。
ショーンはブロムリーと接触。
ブロムリーは協力する条件として「犯人の名前」を要求した。

農場。
ホテルの部屋に手製爆弾があった事を知ったリアムは農場の安全面に不安を抱く。

翌日。
ベルズ中古車販売店で車を購入したクワンは農場を目指しながらトレーニング(ドアや車体を押したりして)。

夕方。
森に車を隠し、農場へ。
警備のスキをつき倉庫に侵入。
時限爆弾を設置。
9時。爆発。パニックになる農場。
予感的中のリアムはクワンを舐めていたと反省し、応援部隊を呼び寄せることにした。
が、メアリーは身の危険を感じ、娘ケリーのもとへ避難すると言い出したが「危険だ」とリアムは止めた。
が、言うばかりでスグに対処しないリアムに「昔と変わった」イヤミを言うメアリーだった。

その頃。
新たな爆弾を制作中のUDIメンバー。
新たなコード名が今夜決まるというメールが入る。

その頃。
BAR。
カウンターで一人飲んでる男イアンに声をかけるマギー。


翌朝。
農場。
メアリーは一人でケリーのもとへ行くと言い張るがリアムは「護衛をつける」とブチ切れる。
と、遠隔操作で手下の乗る車が爆破されケガ人がでる。
見通せる場所に潜んでいると睨んだ手下達は森へ。
クワンはトラップを仕掛けており、一人一人身動きを取れなくして行く。
が、左肩に銃弾を受けてしまい逃げる。

農場。
クワンを逃がしてしまったと報告を受けたリアムはブチ切れ。
森の中でも対応できるショーンを呼び寄せることにした。


そんな中。
ロンドン。
メアリーとショーンは密会。
激しく交尾しようとしてる所にリアムからのTEL。
リアムはブロムリーの要求を飲む(見つけ次第報告)ことを条件としてショーンにクワンを始末するよう伝えた。
ショーンは明朝の便で向かうと約束した。
メアリーは守りに入ったリアムは「落ち目」で弟パトリックを殺した犯人も知っていながら何も手を打たなかった(犯人は刑務所でのうのうと生きている不条理)とその「やり方」を恨んでいた。

その頃。
夕方。雨の森。
身を隠すクワンは銃弾を受けた左肩に焼いたナイフを押し当て、苦痛に意識が飛びそうになる中で、タイ海賊にクワンと妻が撃たれ、海に落ち、娘2人が連れ去られたビジョンがプレイバックする。

夜。
リアムはキャサリンからクワンの情報をゲット。
クワンは元アメリカ陸軍の破壊工作員でベトコン小隊長&捕虜だった事が分かる。
と、マクグラスが訪問。
彼のもとから爆弾(セムテックス)10キロ分が消えている情報を得ていたクワンは問いただす。
開き直るマクグラス。
結局「爆破計画」を企てたのはリアムだったが、リアム、マクグラスの思い(ちょっと刺激するだけ。選挙に利用)とは裏腹にUDIが暴走したのだった。
リアムは暴走を抑えようとしているが、マクグラスを含むUDI元同士は「あの頃のリアムが戻る」と期待しているのだった。

そんな中。
愛犬のチャーリーが暖炉の前で倒れている(眠らされた)のに気づいたリアム。
侵入していた爆弾を身にまとうクワンに銃を突きつけられる。
クワンは「犯人を」と質問するがリアムは「UDIの連中だが誰かは分からない」と答える。クワンはテロに使用された爆弾がセムテックス(ベトナム戦争時チェコで開発)だと知っていた。
リアムはテロリストが次に犯行声明を出すためのコード名を入れると爆弾の管理者名が自分に届くようにトラップを仕掛けたと話した。
クワンは猶予は1日だと言い残し、去る。


そんな中。
ロンドン警視庁 テロ対策司令部。
監視カメラの映像から犯人の右手の甲にヤケドかアザのようなものがあるのを発見。


翌朝。
ロンドン。
二階建てバスから降りてきたマギーとバイクで待っていた男。
と、数分後、二階建てバスが大爆発した。

農場。
ショーン到着。クワン対策準備を進める。
と、ブロムリーから「テロリストから声明は来たがコード名を言わない」とリアムにTELが入る。ブロムリーは作戦を知るリアムとショーンにも疑いをかけた。
リアムはわかり次第連絡すると約束した。

死者16名、負傷者30名以上。
キャサリンはブチ切れてリアムにTEL。
48時間後に落下傘部隊が北アイルランドに降下すると警告した。
リアムは報復を呼ぶだけだと反論したがキャサリンの力ではもう止められない状況になっていた。
と、ロンドンでメアリーとケリーを護衛しているはずの手下(ホテルロビーで隠密張り込み)が戻り「メアリーとショーンが2時間同じ部屋で過ごし、ショーンが出たあとメアリーがロビーからマクグラスにTELした」ことを報告した。

森。
ショーンは一人でクワンを捜索。

UDIアジト。
新爆弾が完成。
ローマの国際会議を狙うため、サラを運び屋に。

ロンドン警視庁 テロ対策司令部。
手のヤケドからパトリック・オライリー(29歳)が犯人であると判明。
3週間前、長年監視していたパブで仲間(2人の男。一人はマクグラス)と接触していた事も監視カメラで分かる。バスから降りた女も現在確認中。
ブロムリーはリアムにTELし、犬はマクグラスだと報告し、パトリックの居場所を聞く。
リアムはパトリックの事は知らず、マクグラスの行方も不明だと答える。
が、ブロムリーは既にGPSで監視。マクグラスは農場に向かっていた。
上空にいるヘリがマクグラスを拘束する作戦。ブロムリーはマクグラスとの関係を切らなくば「キズ」がつくと忠告し、それを阻止したくば30分以内に「テロリスト全員の名前とアジト情報のリーク」を条件に条件に出した。

リアムはジムを呼び、マクグラスの部下と一緒にショーンの所へ行けと命令。
屋敷に入り、訪ねてきたマクグラスに銃を突きつけ「本名と偽名、アジトを書け!」と脅し、「できん!」と拒むマクグラスの太ももに発砲。悲鳴をあげながらマクグラスは書く。
男4人とマギーの名が!マギー本名サラ・マッカイ。マクグラスの部下だった。
ブチ切れたリアムはもう片方の太ももに発砲。
悲鳴をあげながらもマクグラスは「同志が捕まればマギーがお前の名を自白する!」と脅す。が、リアムは「お前がヘマ(バレた)したから自業自得だ」と教えてやりマクグラスは絶望。
リアムは最後にメアリーについて質問。
マクグラスは「弟の件で恨みを持っており相談に乗って、こっちも助けられた」と答えた。
リアムはマクグラスの頭を撃ち抜いた。

その頃。
イアンと交尾を終えたマギー。
イアンがバスルームへ行ったスキにノートパソコンの充電器を「新爆弾(PCの時計で起爆)」に取り替える。

その頃。
リアムはショーンにTEL。
マクグラスが黒幕で実行犯はパトリック・オライリーだと報告した。

そして。
ショーンはクワンが隠れていた手作り小屋を発見。
が、センサーを設置しておりショーンにいち早く気づいていたクワンは身を隠して攻撃。
バトルタイム。

その頃。
リアムはブロムリーにTELし犯人を報告。

森。
バトル。
いい勝負。だったがクワンの勝利。
ショーンを拘束した。

夜。
ショーンは実行犯の名と特徴をクワンに教えた。家族は兄貴以外皆んな亡くしたと知ったクワンはショーンを解放した。

農場。
戻ったショーン。
マクグラスの死体を確認。リアムに「負けたこと」を報告。
リアムはテロリストが「コード名を言わなかったこと」でショーンに説明を求めたが、計画はリアム、ショーン、ブロムリーしか知らないと身の潔白を訴えた。
が、「メアリーとの件」を出され「リアムとTELでコード名の話をしていたのを横で聞いていた」のを思い出した。
情報はメアリーからマクグラス。そしてテロリストへと流れたのだった。
リアムはショーンにマクグラスの死体を豚小屋に埋め、ニューヨークへ帰るよう命じた。


翌日。
ロンドン。
刑事に尾行、監視されてるとも知らずマギーはアジト(アパートの一室)へ。
突入準備が進む中、ガス屋に扮したクワンはしれっとアパートへ潜入。

その頃。
イアンはノートパソコンを持って航空機に搭乗。

その頃。
突入カウントダウン!
が、アジトのチャイムが鳴り突入中止。
クワンは管理人のおばちゃんを使って「アパートでガス漏れみたいだから点検を」と知らせさせ、部屋の中へ。そしてパトリックを確認。バッグを調べられ、見つかりマシンガンを発砲。銃撃戦&バトルの末、テロリストを退治。
部隊が突入した頃にはクワンはしれっとトンズラ。
銃弾を受けてたが生きていたマギーは逮捕。
拷問を匂わされ「ローマ行き136便。イアン・ウッドのPC」だと吐いてしまう。

空港。
136便は遅延となり、空港警察は待合ロビーでイアンを見つけ、PCをゲット。
無人の搭乗口に投げ、間一髪。


その頃。
ブロムリーは隊員からテロリストを殺したのは「60代の中国人」だと報告を受けた。
マギーは射殺される。

その頃。
バスに乗ってる所を刑事に見つかったクワン。監視される。



夜。
136便に乗る予定だったキャサリンがリアムに礼のTEL。マギーの処分も報告。コレらの「口止め」を理由にリアムを「我々側」だと釘を刺す。

チャイムで目を覚ましたメアリー。
玄関ドアを開けたところで、待っていたショーンに暗殺された。


隠れ家に戻ったリアム。
クワンが待っていた。
スマホの「マギーとのキス写真」を見せ「あんたが黒幕だな?」と確認。
リアムにスマホを押させ、写真を送信するよう命じる。
リアムは応じ、写真はネットにアップされた。


ハッピー・ピーコック、
物音に気づいたラムはクワンが帰ったことを知り、キスをする。
と、クワンをカメラで監視する刑事。
狙撃兵もスタンバイ。ブロムリーに報告。
が、ブロムリーは「借りがある。黙秘するだろう。ドラゴンを起こすことはない」とTELを切った。

クワンとラムは強く抱きしめあう。






というお話。
シリアスジャッキー。アクションはまだまだ現役イケてる。素晴らしい。
でも主役はリアムって感じちゃうほどこちらの側のドラマの方がアレコレエキサイトする。
直接的なクソ悪な黒幕というより足を引っ張られた位のリアム。まぁ自分が撒いた種ではあるちょっとおバカさんなリアムをしつこく狙うストーキングジャッキーはただのランボー。
こっちのストーリーがサイドストーリー過ぎてジャッキー別にいらないかも?て印象になる。
なんせ「中国人(外国人)は一々関わるなよ!」的にウザイ顔をするリアムやブロムリーが印象的。

てか。
この作品はタイトル「フォーリナー(外国人)」が示すようにイギリスと北アイルランドの「因縁」に第三者(外国人)が「巻き込まれちゃってる」というのに「部外者扱い」されちゃってるって深いテーマがある。
「おめーら揉めるの勝手だが周りをちゃんと見ろ!」とブチ切れてるのがジャッキー(外国人)なのだ。
だからあえて「サイドストーリー感」を出しているのかもしれない。

が。
そこまで読み取っても「ジャッキーがサイドストーリーでしかない」でしかない。
それはやっぱ物足りなさを感じるのよ。
アトミ

アトミ