おーひら

甘き人生のおーひらのレビュー・感想・評価

甘き人生(2016年製作の映画)
5.0
超大傑作。母と子供っていう超普遍的な題材なのがもう良いよね。
ベロッキオは群衆を撮る天才なのかも知れん。葬儀のシーンから周りの大人達がマッシモにとって他者であるのが一目でわかる。

この映画には複数回ダンスシーンが登場する。それらはいずれも母親と踊った記憶をマッシモが忘れられないことを示すものだと思うんだけど、特に良かったのがサラエボのホテルでのダンスシーン。Time after timeが流れる中、一人踊れないマッシモを照らすライトの照明があまりにも悲しすぎる。
後は、テレビの中の飛び込み選手やマッシモが銅像を落とすことだったり、所々に落下のイメージを何気なく落とすのがうまい。こういうのが伏線の張り方なんだと感心してしまった。
ベロッキオは確かに娯楽映画と芸術映画のバランスというか、感性と技術のバランスというか、そういうバランスをとるのがめちゃめちゃ上手いなあって思った。
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