甘き人生の作品情報・感想・評価

甘き人生2016年製作の映画)

Fai bei sogni/Sweet Dreams

上映日:2017年07月15日

製作国:

上映時間:130分

3.7

あらすじ

1969年、トリノ。 9歳のマッシモの前から、ある日突然母親がいなくなった。司祭から母親は天国にいると告げられるも、彼はその不可解な事件を受けいられれず、喪失感に苛まれる。時が経ち90年代、ローマ。マッシモは腕利きのジャーナリストとして成功を収めてきたが、今もなお過去の傷を癒せず、心を閉ざし夢の中を生きているような生活を送っていた。しかし、女医エリーザとの出会いによって長い夢から目覚め・・・。

「甘き人生」に投稿された感想・評価

Taul

Taulの感想・評価

2.0
初ベロッキオ。少年期に母を失った男の心模様。イタリアの変化やサッカー史を盛り込み反復する運動や美しい映像で語る。老境の監督特有の人生瞬き感。雰囲気やテーマは好みで各シークエンスや登場人物も印象的だがそれらが噛み合ってないようで消化不良も。ある意味それが人生のようか。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 1969年トリノ、黄色いワンピースを着てオシャレをした母親(バルバラ・ロンキ)は、ソファーに座る9歳のマッシモ(ニコロ・カブラス)の腕を優しく引っ張り上げる。当時の流行歌と母親にリードされるダンス、少年の笑顔。バスに揺られる母子の姿、しかし母親の表情はどこか優れない。つり革につかまるカップルの情熱的なキスを仰ぎ見ながら、少年は母親に「あの人たちキスしてる」と言うが、母親はどこか心ここに在らずな表情で、窓の外を見つめている。終点が来ても、もう1周するわと話す母親の言葉に、少年は黙って従うしかない。その夜、少年が眠りにつくまで見守った母親が「良い夢を」と言いながらゆっくりと立ち上がり、ドアを閉め夜の闇の中に消える。その背中はどこか寂しそうに見える。翌朝、マッシモの父(グイド・カプリーノ)の悲鳴で目を覚ましたマッシモは家族に起きた異常を察知する。集められた親戚一同、黒の喪服、マッシモは母親の名前を何度も叫ぶが、母の姿はどこにもない。9歳のマッシモの穏やかな幼少期は母親の謎めいた死によって閉ざされてしまう。神父が母親は天国にいると伝えても、少年はこの喪失を受け入れようとしない。

 イタリア国内で150万部のヒットとなったジャーナリスト、マッシモ・グラメッリーニのベストセラー自伝小説の映画化である今作は、高度経済成長期の60年代と先行きも不透明になった90年代とを並行して描く。美しい古都トリノと繁栄を極める首都ローマとの対比。幼い頃に母親とソファーで観た『キャット・ピープル』や『カリガリ博士』、大人になっても消えないベルファゴールの幻影はまるでマッシモの守護天使のように何度も立ち現れる。少年期に出会ったお金持ちの友人エンリコ(ディラン・フェラリオ)とその母(エマニュエル・ドゥボス)の過保護な眼差しへの嫉妬心。新しい同居人に拒否されたソファーでの抱擁。ラファエラ・カッラの大胆な踊りやトリノのスタジアムで見たサッカーの熱狂は彼に天職を与えるが依然として彼の心の中には、9歳の頃の母親がいる。大人になったマッシモは二度、死を目撃する。一つ目はある有力者の拳銃自殺であり、もう一つはサラエボの戦争特派員として見た放心状態でゲームを続ける男の子と無残にも殺された母親の死体である。間近で感じた2つの死のイメージは、見ていない「5階バルコニーからの転落」を浮かび上がらせる。精神科医エレーザ(ベレニス・ベジョ)との出会い、パーティでのダンス・シーンの高揚感、母親への永遠のノスタルジーは記憶の中へ閉じて行く。
悪くはないのですが…
飽きずに最後まで観ましたが…
残念ながら、心に残らず
2017年7月27日、渋谷ユーロスペースで鑑賞。

この作品の映画チラシは持っていたのだが、全く読まずに観に行ってしまった。
邦題が『甘き人生』で映画チラシは男の後ろから若い女性が抱きついている写真なので恋愛ものだと思っていたら、「えっ、こういう映画なの?」という感じだった(笑)

美人のお母さんと少年マッシモが遊んだり、バスに乗ったりしている。ただ、バスのシーンでバスを降りようとしない母親の姿に違和感を憶える上手い演出。
そして、マッシモ少年は「ママは天使になった」と聞かされるが、信じようとしない少年。遺体との対面も無く、棺桶だけが運ばれる。

その後、喪失感を抱きながら青年、大人になっていくマッシモ。
途中、大音響で「♪ハイウェイ・スター」を聴くシーンがグッド。

ただ、時間軸が行ったり来たりするので、物語を把握しづらい。
「トリノ 1999年」とか「ローマ 1992年」などと表記は出るのだが、映像を追いかける間にチラッと表示されるだけ。ちょっとツラい感あり。

イタリア映画で「母親への愛」を感じる映画だった。

<映倫No.47914>
mar88

mar88の感想・評価

4.0
フォロワーさんが観ていて結構高評価なので、気になって鑑賞。

なるほど、評価に困るというのはかなり頷ける。

幼くして母を失ったマッシモの物語。

母と息子の物語といえば最近だとドランの映画を思い出すのだけれど、こちらの映画は苦しくなる喪失の物語。

イタリア男性は大抵が「マンモーネ」、「お母さん子」らしい。
そんなお母さん子のマッシモが受けた喪失は計り知れなく、許したくなるし、自分を責めてしまうシーンなんて胸が苦しくて大変。


これは男性の映画だなぁと思った。

母親と息子の関係がうらやましくなる、そんな男性の映画。


前に何かで誰かが「あー素敵なお母さんだな。この人に育てられた人と結婚できらた幸せだろうなって思った」と言っていた。

「マザコン」というのは簡単だけれど、一周回ってこんな考え方ができたらどれだけ豊かだろうと思う。

そうそう、全くの余談ですが「オカン」という言葉が全国的に広まったのは、ダウンタウンがきっかけだと言われているということを知りました。
そのテレビ番組世代のわたしは確かに。と深く頷けたのでした。
わたしより少し上の人は母親のこと一回は呼んだことあると思う。(笑)

あと、パンフレットの字体の癖が気になります。
kaorui

kaoruiの感想・評価

4.0
シネマイーラにて、家族3人での鑑賞。

冒頭のダンスの場面は豊かで暖かな絵で、一転寒々としたトラムの絵に切り替わる。
そして突然訪れる根源的な存在の喪失。以降冴えた荒涼とした空気が画面を支配する。
真実を知って、そして飛び込み台のシーンは強烈なインパクトだ。くすんだい青い色、母親の死と同じ高さからすーと水に溶け、力強くプールサイドに這い上がる。そして母親の苦しみ痛みを恋人はたったの一言表現し、解き放つ。
匠の技だ。
な、なんだこりゃ…まぁ、確かに落下の映画だけどそれが❓って感じ。画面が暗くて妙に影に支配されているのは好きだけどさぁ。
(母親とバスに乗ってる時の母親の顔が逆光で真っ黒になるショットはゾッとしたが)
登場人物の顔に血色が無いのも何時ものベロッキオ。

窓の外の雪は『愛の勝利を』を思い出した。しかし母ちゃんがテーマの映画多いなベロッキオわ。
いの

いのの感想・評価

-


どうして映画館って眠くなるんだろう。
弱さとか痛みとか妬みとかひがみとか憎悪とか劣等感とか、
普段は気づかないようにして過ごしている自分のダークな部分も、
映画館では受け容れられていると感じるからだろうか。
ニンゲンがまるごと認められる場だからだろうか。
まるで母の胎内で羊水に包まれていた時みたいに。
(って、すみません、その記憶はございません!)
そんな安心感が映画館にはある。


もう予告が流れているところからまどろんでしまって、
ずっとそのまま微睡みのなかでたゆたう状態で過ごしました。
(爆睡ではないので、ずっと観てはいたのです。)
言い訳にしかなりませんが、そんな映画鑑賞も好きです。



考えたら、家で観てる時もよく寝てました。
すみません。
駄文におつきあいいただき、ありがとうございました。
マッシモにとって母は全て。そんな母が突然いなくなってしまう。天国に行ったと神父様に告げらても納得いかないマッシモは反発する。ママが自分を置いていくはずがない。

子どもの心を理解していない父親はマッシモの助けにならない。母とみていたテレビドラマの惡役キャラクターを心の拠り所として幼少時代を生き抜いていく。

子どもにとって母の自殺は、受け止めきれない出来事ではあるが、事実を隠そうとする大人の対応がマッシモを孤独にし彼の人生に暗い影を落とす事に繋がってしまったのではないだろうかと思う。

部屋に流れる音楽。

“わたしの可愛い坊や”

宿題中のマッシモの手をとって踊り始める美しい母と息子。

かくれんぼの途中、母を見つける事ができなくて不安になるマッシモ…。ふざけていただけよと出てきて優しく息子を抱きしめる母。

彼らの優しくて甘い時間は、心に沁みた。
猫

猫の感想・評価

3.5
寝たらダメだろうな、という予感があったので、相当頑張った(笑)
時系列がバラバラなので5分でも意識を失ったら、つまんないと思う。
寝ずに頑張った私は 
そこそこ面白かったです。
そんな言葉が劇中に出てくる訳ではないけれど
子ども時代の傷が、中年になっても引っ張るというのは当たり前の事。
マザコンと言う言葉で
彼を否定して欲しくないな、と思う。
誰にでもこだわっている
或いは拘った事柄と言うものが
長い人生には一つや二つあるはずだと思うから。
これは、彼の人生の記。

それにしても、主役の彼が、どうしてもマイケル・ファスベンダーに見えちゃう(笑)

 2017.08.27 伏見ミリオン座にて鑑賞
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