もりもり

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのもりもりのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

とてもいい映画に出会いました。
久しぶりに綺麗な涙を何度も流しました...
これはカナダの画家モードルイスの実話の映画です。

重度のリウマチを背負いながらも
自立するためにエベレットのところで住み込みの家政婦をはじめて、その住み込みの家で絵を描き始めたことがきっかけで画家として成功の道を歩む愛があふれる物語。

映画の序盤は住み込み先のエベレットがあまりにもあたりが強い...
孤児院育ちのエベレットのキツさは自分を守るためなのかなって思って見てました。
捨てられた過去があるから、また傷つかないように人との関わりは最小限。
とても無愛想だけれど、そうしていれば
人が離れていくこともなくて捨てられることもない。そう思ってたのかなって....
ただ、そんなエベレットを変えたのは
モードでした。
彼のキツさの中に見え隠れする優しさがとても良かった、ゆっくりとゆっくりとモードとエベレットの心が近付いていくのがとても心地よい。

モードの絵を最初に買った女性が絵を描く理由をモードに尋ねた時、モードが「多くを望まないから」って言うんです。
いやいや!!望んでいいんだよ!!
なんでみんな彼女のことをそんなにひどく言うの?心はみんなと同じだからな!と
怒りが込み上げたのと同時に、
私は多くを望んでしまう人間だから
モードのような世界が見られないんだと思いました......。
彼女が描く絵はとても素直なんですよ。
心が綺麗だから、きっとこんな絵が描けるんだって。

いつか私もモードと同じ世界を見てみたい。
多くを望まずに毎日景色が変わる、窓という額を眺めて暖かいお茶を飲んでみます。


最後に伝えたいのは、
進行性のある持病をかかえた人と一緒にいるというのは愛がないと決してできないということ。
それは支えてもらうほうも支えるほうも。
変化していく彼女をずっと側で見ていたエベレット、変わってしまう自分を見せるのを嫌がらず一緒に居続けたモード。
彼らの間には本当に素敵な愛がありました。
ほっこりして、死ぬほど涙が流れた映画。

定期的に見たいです。
もりもり

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