サリエリコ

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスのサリエリコのレビュー・感想・評価

4.0
今年1番観たかった映画かな。
素敵な絵作りだった。特に風景が良かった。まるで誰かの優しい眼差しのようで、美しいけど、美し過ぎず控えめで、そして悲しい。何度も涙腺が緩んだ。
あと、家の中に差す陽の光の柔らかさね。まるでモランディの静物画みたい。(画家の物語に、他の画家の画風で褒めるのも変だけど)
ほとんどのシーンがフレームに収められそうで、彼女が愛した“窓”をわたしたちも感じることができる。

残念だったのは、話のピークが結婚式の夜(あのダンスシーンがまた素晴らしいんだけど!)だったこと。あそこから徐々に物語は弱くなっていってしまった気がした。
あと、モードの作品があまり観られない。著作権の問題もあったのかなぁ。

モード・ルイスという人は愛さずにはいられないような可愛さがあった。最後に本人の笑顔が見られるけど、あそこでまた胸を掴まれるよね。+サリー・ホーキンスさすが!と感嘆のため息。

エベレットが思ってたより良い人ではなくて、リアルだった。でも彼はモードが絵を描くことを許すんだもんなぁ。エベレットは実は芸術に理解があって、モードの絵のファンだったのかもしれないね。(晩年彼も絵を描いたそうです)
台詞の少ないイーサン・ホークもほんと良かった。