ねぎおSTOPWAR

デトロイトのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

デトロイト(2017年製作の映画)
4.4
いやあひどい。
ウィル・ポールターは役者だけど、本当に極悪に見えてくる。怒りすら覚えるもんなあ。
証言などから作られた実話ベース映画・・・。
うーん、これまでアメリカにある差別を扱った映画、報道、様々あったけれど、もうなんなのでしょうね。
こういった恥部とも言える作品をオープンにする《自由》は最大に評価すれど、歴史は重い。さらに、今のスペイン語圏の人々が入国する問題とはわけがちがう、大量に拉致してきた黒人問題だからなあ。

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ふとここで、翻って、わが国は大丈夫なのだろうか。
過去万人にいいことばかりしてきた国や人などいない。日本もしかり。しかしこの作品のように被害を受けた側の目線で自分たちを描いた映画なんて作れるんだろうか・・。
今の日本で作ろうとする製作会社はないし、配給しない。そんな作品が仮に作られてもメジャーには出ないし、日本アカデミー賞にノミネートなんてされない。むしろ「万引き家族」に起きたことを考えれば大変なことになる。その意味ではわが国には、アメリカにギリギリ存在する《自由》すらないことになる。
過去でいうと大島渚さんが作った「戦場のメリークリスマス」くらいしか浮かばないかなあ。

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この作品の話に戻りますね。
この中に白人のエクスキューズがないわけじゃない。ミシガン州警察は「こんな人種差別案件に巻き込まれたくない」と逃げますが、要は「デトロイト市警だけが」おかしかったんですと言っているようにも聞こえます。

いやあひどい。
しかし憎しみや争いの向こうに平和はない。
・・んなこたあ言うまでもないのに、いまだに理解できずに誰かのせいにする連中が人々を動かすから、いつまでたっても地球の歴史において最悪の害虫が人間だということになる。