これは惜しい！
きっと"激突！"と"ザ·カー"のイイトコどりを狙ったつもりがダダすべりしちゃったんだな。(笑)

そもそもこの作品に登場する獰猛な殺人カー ('74年型ダッジチャージャーの改造車らしいです)は、"完全にイカれちゃってるシリアルキラー"が運転してるのか？

それともクリスティーンや"地獄のデビル·トラック"のグリーン·ゴブリンみたいに、自らの意思で人間を襲っているのか？

どっちのつもりで撮ってるのか、あるいは意図的にそこのところを曖昧にしてるのか、詰めの甘い脚本と雑な演出のせいでまったく伝わってこないんですよ。トホホ…

まぁまぁ、せっかくの70年代"風"カーアクション映画なんだから、難癖ばかりつけてないで後半のスクールバス vs.ダッジチャージャーの30分を超える追走劇を堪能したらええやん♪

…ところがこれがまた、お粗末な編集とスローモーションの無駄遣いとダッセえ劇伴の相乗効果で眠気を誘うツラい仕上がり。トホホホ…

まぁまぁまぁ、これは劇場公開作品じゃなくて30年も前のアメリカのテレビ映画らしいし、そんな難点には目をつぶって気軽に楽しめばええやないの♪

…って、あの"激突！"だって、もともとはテレビ映画やないの！(笑)

• #2021♪

"人々を無差別に轢き殺す不気味な車が出現、ある日その車に娘を誘拐されたスクールバスの女性運転手は追跡を開始するのだが..."というストーリー

『ヤングガン』のクリストファー・ケイン監督作品

天下のパラマウント配給作品にもかかわらず、タイトル&ストーリー&ロケーションなど明らかにスピルバーグ監督の『激突！』から影響を受けている(もといパクってる)のが分かる

ただ、本作が前者と決定的に違うのは"運転手の姿を一切見せない為、「車」自体が意思を持って殺戮を行なっているかのような恐ろしさがある"という点(『ザ・カー』や『クリスティーン』のような雰囲気)

この不気味な車、昔好きだった74年型ダッジ・チャージャーのカスタムカーで中々カッコいいデザインなのでお気に入りです

初見時(当時12歳)に、白バイ警官が絶叫しながら轢き殺されるシーンがトラウマになりました

ラスト40分にも及ぶスクールバスvsダッジの壮絶(笑)なカーチェイスシーンは必見

• #オチまでパクってます

田舎町に突如人を轢き殺し、少女を攫う不気味な黒い車が出現。スクールバスの女性運転手ローラは娘ステファニーを目前で攫われバスで追跡する…というストーリー。
パラマウント配給ながら邦題通りスピルバーグの「激突！」の影響大きいカー・サスペンスです。監督は「ヤングガン」のクリストファー・ケインで、脚本で新旧「クライモリ」の脚本手掛けたアラン・B・マッケルロイが参加してます。
主役である不気味な黒いセダンは薄汚れたデザインが妙にかっこいいですね。人を轢き殺すだけじゃなく、少女を攫って性的暴行して時に殺したりする変態ロリコン殺人鬼が乗っているという設定も今となってはかなりヤバイ。車の中から下校する少女達を品定めするような描写が何とも言えない気持ち悪さを出してます。また、一切運転手の姿を見せない演出も特徴になっています。「激突！」では運転手のハンドル握る腕やカーボーイブーツ履いた足など身体の一部分見せてましたけど、今作では全く見せません。これによって「ザ・カー」や「クリスティーン」みたいに車自体が意志をもって人を襲っている車ホラーの雰囲気も漂っています。主人公の自宅周辺等に執拗に現れる不気味さも良いですね。
主人公の目前で娘が攫われて追跡劇が始まる後半40分はスクールバスVS黒いセダンのカーチェイスで占められてて見応えありますが、スローモーションの多用はテンポ悪くしてて微妙。BGMも場面と妙にあってない感じの音楽が流れる所も。それでも、急斜面に追い詰められたスクールバスの背後に現れてドンドン押していく所は整備不良でバックが効きずらい設定もあってハラハラしました。また、白バイ警官に止められている所に突如現れて跳ね飛ばしたり、給油所を破壊して大爆発起こしたりと結構な暴れっぷり見せてくれます。主人公もスクールバスで側面からガンガン体当たりかましたり娘が中に居るの忘れてない？(笑)と思うくらい反撃してくれます。途中で降ろして貰えるとは言え道連れにされた生徒二人災難だったな(笑)眼鏡かけた子は主人公に薔薇渡してプロポーズしたり中々おませサンでイイキャラだからもっと活かしたら良かったのに。
娘が脱出してバスに飛び移るシーンも中々ハラハラさせます。その後のラストは「激突！」と同じですが、一回落としたと思ったらまた再登場する所はちょっとビックリ。まあ、ジャケ裏でネタバレされてますが。ここでちょっとオカルト的な存在なのかな？とも思ったり。落下しての大爆発も派手で良いですね。
ブラックセダンの不気味さや後半のカーチェイス等「激突！」フォロワー作品の中では結構楽しめる作品だと思います。でもこれ流石にDVDにはならないかな…