アガサ

ベルリン・シンドロームのアガサのネタバレレビュー・内容・結末

ベルリン・シンドローム(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

脱出→失敗→暴力 を繰り返すことで「逃げられない」心理状態に追い込まれ、自分以外にも被害者がいたと知る事で「用済みになったら殺されるかもしれない」と恐怖に陥り、殺されないため加害者に気に入られるような言動をとるようになる。
表向きは恋愛ごっこのように見えても、彼女にとっては薄氷を履む日々だったことろう。
そのヒリヒリとした空気が、どんよりと暗い色調で統一された画面から伝わってくるようだった。

開放されて車の窓を開ける女の子。
目に飛び込んでくるカラフルな光景。
特別なものはなにもない、ただの日常がひたすら美しい。

一方の加害者。
幼い頃母に捨てられて以来、彼はずっと自分の心を暗い場所に閉じ込めていたのかもしれない。
しかし母親の代わりを探しても完璧な代理などいようはずもない。
外を歩いていても心は鍵のかかった部屋に置き去りのまま。
最後、自分で補強した監禁部屋に入ることになった加害者の顔は、安らぎを感じているようにも見え、「これは根が深いヤツだぞ……!」とおもいました。

とてもこわい映画でした。
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