SHOHEI

トパーズのSHOHEIのレビュー・感想・評価

トパーズ(1969年製作の映画)
3.7
冷戦のさなか、ソ連の要人がアメリカへと亡命する。亡命によってもたらされたキューバへのソ連核ミサイル配備の情報。中立を保っていたフランスは極秘に諜報員アンドレをキューバに派遣する。

一般的にはヒッチコック低迷期に含まれる作品だが、世界を股にかけたスケールの大きい世界観はアクションのないボンド映画のようで、これはこれで好み。キューバ危機をプロットに盛り込み、主人公アンドレはフランス政府内の裏切り者を突き止めていく。アンドレを演じるフレデリック・スタフォードに華がないとか、ヒロインのカリン・ドールはヒッチコック作品に似つかわしくないといった評価も見かけるが、スパイという影の仕事を扱った映画としては地味なビジュアルも相応しいと思う。ちなみにカリン・ドールは元ボンドガール。ラスト1分まで「本当に終わるのか!?」と不安だったが、その通りでやっつけ気味の幕引きなのが残念。フランスの内通者を排除することがキューバ危機の回避にどのように繋がるのかまで描いてほしかった。
SHOHEI

SHOHEI