モノボケ的アプローチによる、帽子大喜利。
『馬芸』ぶりのコメディ路線で攻めてきた1本でした。
おじさんが帽子を被って、その帽子を被っていそうな人物の動作をするというだけの内容なのですが、おじさんの表情や所作の1つ1つがコミカルで、いつの間にか口角が緩んでいました。
特に度肝を抜かれたのは白髪のカツラを被った時で、まず帽子と言っていいのかというツッコみが出てくる中、誰かしらに話を振って最終的に頭を左右にブルブル振るという意味の分からない行動が、オチのようになっていること含め、声を出して笑ってしまいました。
ただモノボケをするのはいいにせよ、状況が飲み込めず、なぜこのおじさんはこんなことをしているのだろうという疑問は消えませんでした。
カメラ(シネマトグラフ)を認識した上でやっているとしたら、それは映画とは言えないような気がしますが、今回の場合その匂いを強く感じました。(結局、テレビ番組の出演をかけて行われるオーディション的な意味合いの1カットであると考えて、私の定義上、作品ではないと判断しました)
総じて、帽子を被っては繰り返される動きに笑みを浮かべつつ、やはり映画としては認めがたい映像でした!