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戦場のmhのレビュー・感想・評価

戦場(1989年製作の映画)
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ボルネオで王になった男に対日参戦するよう説得するためにジャングル奥地にイギリス軍の士官が赴くというお話。
王はアメリカ人で脱走兵。コミュニストで労働運動やっていたという設定が素晴らしい。共産主義者が王に収まったことについての台詞もあった。スターリンフォロワーというわけではなかった。
部族を皆殺しにしたのは人肉食のためという、とんでもない行動を取る日本軍が登場するんだけど、そもそもアメリカ人が王になるという設定がファンタジックであるため許容できてしまった。物語全体にエンタメ的誇張フィルターがかかっている。
その上でのマッカーサー登場がアツい。こちらは表向きの王。物語の流れの中で無理なく対比させてるのテクニカルでいいね!
なんとはなしに「地獄の黙示録」はいってるのは、どっちの脚本にも関わっているジョン・ミリアスが監督しているため。ただ、海外のサイトを見ると、「地獄の黙示録」との関係性はあまり取り沙汰されてない。
英語版ウィキペディアによれば、ジョン・ミリアスは反共主義者で日本びいきとのこと。そんなひとがこんな映画作るのも面白い。
みんないないぞ!→見つけたでも骨だけだ!という人肉食べすぎ日本軍をワンサイドでやっつけるのを虐殺として描いている。王はもう誰も殺さないと誓う。その時間が8月6日の朝八時というしかけなんだけど、ジョン・ミリアスは本当に反共主義なのかね。
欧米人が未開の地に赴いたときに、お世話係の現地の若い女性が近づいてきてキャバクラみたいになるのはなんなんすかね。フィルムメーカーが海外旅行で受けた接待営業をトレースしてんのか。このプロットいろんな映画に登場するけど、そのくだりいる?
面白かった!
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