りめんばーみー

あさがくるまえにのりめんばーみーのレビュー・感想・評価

あさがくるまえに(2016年製作の映画)
4.8
『あさがくるまえに』鑑賞。やっと観れた。結論から言うと過去観たフランス映画の中で一番良かった。
一切の盛り上げ演出を排除し、心臓を提供側、される側の家族の想いを描く。
『あさがくるまえに』はリアルであるとか、命の繋がりとかポイントはあるが、一番は普通の人たちの物語であることなのだと思う。
人は自分が特別であること、有名になりたいとか、映画の主人公のようになりたいと考える。
でも、大半の人はそうではない。『あさがくるまえに』に出てくる全ての人は普通の人であり、その人たちの人生がいかに輝いているか、周りの人たちがいかに素晴らしいか、そして普通に醜く失敗したり、葛藤するのか。
だから命が消えるつながる医療ドラマとしてではなく、普通の人の普通の人生として感動した。

また、私は病院勤務であるが、医療のシーンは全てがリアルだった。
女性医療者が疲れた体でエレベーターに乗り、妄想を抱くシーンなどは〝わかるわあ〟と頷いてしまった。激務をこなし、夜勤明けをした人は、あの手の妄想でなくとも誰もが身に覚えがあるはず。
また、医師がたんたんと説得したり、自分の仕事をこなすシーンなどは、リアルそのものだった。
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