「言葉を喋れない女性と半魚人の愛の物語」を描いた作品だった。かと言って、単なる「愛」のお涙頂戴作品でもない。この映画をどういう視点を中心に鑑賞すれば良いのか?正直迷った。ファンタジーである事は間違い無いのだが、その他色々な意味深い、政治的な思想も踏まえた作品である事は間違いない。ましてや、「米ソ冷戦時代」と時代設定が背景になっている何処も気にかかる。半魚人の存在が何を意味しているのか?そこに監督独自の言わんとする事が隠されている気がしてならない。世界が混乱の時代になってしまっていることの象徴を「魚でもない人間でもない生物」生物が主体な物語になっていた。私なりに思うに、今こそ「皆んな夢を持って生きていこうよ!」と夢と人類愛を言わんとするため、敢えてテーマを意識的に「ファンタジー作品」のように手がけた気もする。私が感じたことは、鑑賞する人によってかなり意見が分かれるし、万人受けするとも思えない。不思議な魅力を持っている作品だと思う。時代を踏まえ徹底したレトロ感漂う素敵な映像は素晴らしかった。